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「情報は、社会を前に動かす力になる。」Toiro代表Mariaが信じる、つながりの力

「それって、その子が悪いのではなくて、社会の問題なのでは」

Toiroの創設者、田上麻里亜(Maria Tagami)は、幼少期から、苦手や偏見という言葉をどこか身近に感じながら成長し、学生時代に、フィリピンで目にした子どもの姿をきっかけに、自分ができることで社会を少しでも変えたいと強く思いました。

日本でのPR(広報)経験を経て、現在はカナダで、情報の力を使って社会貢献を加速させるNPO法人「Toiro」を運営しています。ボランティアメンバーとともに、世の中に埋もれている「誰かを想う活動」を届けるための土台作りに奔走する日々。

これからビジネスの世界ではなく、どちらかというとNPOという道を選んだのか。 そして、「小さな温かい気持ち」が、どうやって社会を変えていくのか。

社会の問題なのではないか

――社会課題に向き合うようになった「原点」から教えていただけますか。

昔から家族もいて不自由なく学校に行けている自分を幸せだと感じていましたが、その逆、心のどこかで「もっと辛い環境にいる人がいる」という感覚が日常ありました。

――その感覚が、決定的な想いに変わった出来事があったのですね。

はい。初めてフィリピンを訪れた時のことです。 街中で、小さな子どもが観光客から物を盗み、大人に大きな声で怒鳴られている光景を目の当たりにしました。一般的には、ものを盗むことはもちろん犯罪です。でも私は、「この子が悪いのではなく、こうせざるを得ない環境を作っている、社会の問題だ」と強く感じたんです。

しかし、その子どもは生きるためにそうするしかなかったのではないか。そうさせているのは社会の問題なのではないか。

私はひとり親家庭で育ちましたが、母が一生懸命働いてくれ、たくさんの方の支援があったおかげで今の生活があります。もし私が同じ環境に生まれて、今日のご飯もなければ、生きるために同じ選択をできないかも知れません。

その時から何か、心の中で大きな使命感が生まれたように思います。

広報PRとの出会い

Toiroの創設者、田上麻里亜(Maria Tagami)

――強い想いを持って社会に出られたと思いますが、最初から今の形が見えていたのですか?

いえ、当時はスキルも英語力もなく、社会に貢献したいという思いもありましたが、自分にできるのかわかりませんでした。

最初は仮配属で営業として働いていましたが、3ヶ月目に広報(PR)部門への移行が決まりました。この経験が、私の人生の大きな転機となりました。

――広報の仕事を通じて、どのような気づきがあったのですか?

社会のために素晴らしい活動をしている人たちがいても、その情報が正しく届かなければ、それは「存在しない」のと同じなんだと痛感しました。

私が情報を届けることで、テレビや新聞などもメディアに取り上げられ、そこから問い合わせや協力してくれる団体が増えていく。その様子を目の当たりにして、自分にインフラを作ったり学校を建てたりする力はなくても、情報を届ける「PR」という形でなら、社会貢献を全力でサポートできると気づけたんです。それが今の私の活動の大きな軸になっています。

カナダでの挑戦と、NPO法人「Toiro」の誕生

――その後、さらなるスキルを求めてカナダへ渡られたのですね。

日本での経験を経て、「情報の届け方」をより確実なものにしたいと考えて会社を退職し、カナダの専門学校でデジタルマーケティングを学びました。PRとマーケティングの力を掛け合わせることで、より大きな情報発信の力が身につけられる。そして、社会の変化を生み出したいと考えたからです。

カナダでNPO法人「Toiro(正式名称:TOIRO VOICE SOCIETY)」を立ち上げたのは、そこから約2年後のことです。個人事業主として、日系メディアの記者として活動したり、コンテンツマーケッターとして活動していく中で、そろそろ社会貢献活動に語り合いたいと考えていました。

当初は、カナダのNPOで広報・PR担当としてボランティア活動をすることも考えました。実際にさまざまな団体を見ていく中で、異なるバックグラウンドを持つ人々がそれぞれの思いを持って活動しており、どの団体もとても魅力的だと感じました。しかし一方で、どれか一つのテーマや団体に絞って活動することには、どこかしっくりこない感覚もありました。

それでも考え続けるうちに、自分が本当にやりたいことは、特定の一つのテーマに限定された活動ではなく、「伝える力」様々な人や活動を支えていくことではないのか、という考えにたどり着きました。

それであれば、既存の団体に参加するのではなく、自分たちの手でゼロから形にしていく方がよいのではないかと感じて、Toiroを設立することに決めました。

誰でも今日から始められる、社会貢献のカタチ

Toiroの創設者、田上麻里亜(Maria Tagami)

――現在、20名以上のボランティアメンバーがいるそうですが、メンバーとの関わりで大切にしていることはありますか?

メンバーの多くは留学生なのですが、皆さんとの関わりはとても大切にしています。 ただToiroという組織を大きくもっと活動の話を広げたいという気持ちはありますが、それ以上にメンバーの皆さんが将来、「あの時、Toiroでこんな活動をしていてよかった」と、メンバーの人生の一部になれるような場所でありたいと思っています。

一人では大きなことはできませんが、チームの力なら大きな効果を生めると信じています。最初は私一人で活動していましたが、今ではそれぞれの個性を活かして動いてくれる仲間がいる。そのメンバーたちが楽しんでくれている、その広がりを感じることが、今の私の一番のやりがいですね。

――未来の展望について教えてください。

Toiroを一時的な活動でとりあえずはなく、10年、20年と引き継いでいくような組織にしていきたいと考えています。 大きな活動はできなくても、社会にとって意義のある活動をしている人の想いを「情報発信」で応援し続けることはできます。

私たちの発信がきっかけで、誰かが繋がり、新しい支援の輪が広がる。そんな「見えないけれど確実な変化」を信じて、活動を続けていきたいです。

――最後に、大切にしたい想いを聞かせてください。

よく「社会貢献」と言うと、すごく意識が高いことのように捉えられがちだなと感じています。

誰かに何かをしてもらって感謝を返す、あるいは誰かにちょっと良いことをしたいという「小さな温かい気持ち」があれば、それはもう立派な社会貢献だと思います。大きく考えすぎず、自分の内側にある優しい気持ちを大切にしてほしいなと思います。

私たちの「Toiro」という名前には、多様な個性が集まる「十人十色」という意味を込めています。

これからも、メンバーや頑張ってくれる皆さんが、社会貢献をするきっかけの場であり、新しいことにも挑戦できる場所でもあり続けたいと思っています。そして、社会全体が自分の色を信じて発信していける世界になってほしいと願っています。

情報の力で、社会を少しずつ、温かい方向へ動かしていきたいです。

最後に:あなたの「温かい気持ち」が社会を変える始まり

「自分にできるだろう」と悩んでいるなら、まずは自分の周りの人に「ちょっと良いこと」を始めてみませんか。 その小さな温かい気持ちが広がることで、社会は確実に変わっていきます。

この記事を読んで「Toiroの活動に参加してみたい」と感じてくれた方は、ぜひ下記フォームからボランティアにご応募ください!皆様にお会いできることを楽しみにしています!